それはテロも同じ。テロも全く相手の言うことを聞かない、言葉が通じない別な価値観のもとで起きている。
それとヨーロッパの人道主義はセンチメンタルな部分が大きかったんだなと思った。亡くなった子どもの写真で難民に扉が開いたと思ったら、パリのテロがあった途端に急速に閉じた。あれほど高い理想を掲げながら、どちらも感情とかセンチメンタリズムで動いてしまっているなあと感じはありましたね。
アメリカも大統領候補のトランプ氏の発言がねえ。民主主義の成熟みたいなのがここ何年かでずいぶん後退してしまいました。人間は自分が正義だと思うと過剰に正義をふるうから、そこは気になります。例のフランスの空爆もロシアの介入もそうですし。お互いが正しさの構図に酔っている。
結局、そういうものは豊かさが担保していたのかと思う。グローバリズムで下半分の生活が苦しくなるとそういう人たちは保守化するし、外国人排斥、自国尊重に走るんですよね。日本でもテレビで最近多い「日本最高」みたいな番組は本当に気持ち悪い。食い詰めた外国人の三流タレントみたいなのをスタジオに集めて日本を褒めそやすって、なんなんでしょうね、あの構図は。
「正義に酔う感じ」というのは、ブラック企業にも通じるところがあります。「働くことに感謝」、「生きることに感謝」、「感謝」といういっけん反対できない甘いモラルの言葉で人を洗脳していく。今年のブラック企業大賞が「セブンイレブン」ですから、日本最大のコンビニチェーンがブラックだったら、どうすればいいのという感じ。みんなの星だったユニクロも候補でしたし。残業支払わないとか、貧乏臭い感じが嫌だねえ。