鈴木:つまり、抗争に発展すると、使用者責任や脱税で、司組長が収監されるリスクが高まる。そのリスクを厭わず抗争をやるのかということになる。
溝口:そう考えると、もうひとつの現実的な選択肢は、現在の幹部が身を引いて、六代目山口組と神戸山口組が再合併するという道かもしれません。対等合併です。
鈴木:なるほど、その可能性もありますね。
溝口:だから、抗争だけが結論じゃないわけですよ。
鈴木:もしそうなったら、本当にヤクザって変わったなっていうことですよ。山一抗争(*注)のときは、一和会がつぶれるまでやったのに、今回は元の鞘に収まりますとなれば、全然違う。本来は、抗争することがヤクザなはずなのに。
【*注:1984年、竹中正久組長が四代目を襲名したことに反発した反竹中派が「一和会」を結成。竹中組長は一和会に殺害されたが、山口組の報復が激化。1989年の一和会解散まで双方で25人の死者を出した】
※週刊ポスト2016年1月15・22日号