動脈硬化を起こしている血管はもろいので、切り口を医療用のフェルトで補強し、人工血管とつなぐ。裏側など見えない部分の縫い目から血液が漏れ出ないよう、しっかりと縫合する。
解離性大動脈瘤の場合は、血管の内膜と外膜が解離しており、胃や腎臓など、他の臓器への血流が途絶えていることもある。そのため、血管を外と内からフェルトで挟み裏打ちし、人工血管をつなぐ。それらを1時間以内で行なわねばならず、精度の高い技術が求められる。
大動脈瘤は徐々に大きくなるので、治療のタイミングと方法に関しては、セカンドオピニオンも重要だ。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2016年1月15・22日号