石本:いえいえ。南原さんとまともに話せるようになったのは、12、3年前くらいから。実は周りから気を使われるくらい、ぼくと南原さんの仲が悪かった時期があるんです。直属の後輩なのに、南原さんに電話番号を聞かなかったら「お前は番号聞いてこないなぁ」とか言われて。そうしたら腹立って、余計聞けなくなったりとかして…。
ある時、キャイ~ンの天野(ひろゆき)さんに相談したんです。そうしたら「南原さんは、“兄貴、兄貴”と言って近づけば全然大丈夫だよ」と言われて。その通りにしたら、距離が近くなりました(笑い)。
――ほかにも助けられた先輩芸人さんはいますか?
石本:いっぱいいます。ぼくの同期ってあまり横のつながりがないんです。そういうときに、Take2の東(貴博)さんとか天野さんに、すごく助けられました。お金的に助けてもらったという事じゃなくて、精神的に。
東さんは昔は付き人か!?というくらい毎日、一緒にいましたよ。あげくの果てに「旅行行きたい」と誘われて、「その日は仕事が入っています」と言うと、「仕事断っちゃえよ」と言われたこともありました(笑い)。
若い頃って会社に、“この期間休みください”って言えないじゃないですか。その間にいい仕事が入って来たらもったいない、って考えちゃうんです。でも、「それを言える勇気がないと、売れねえぞ」と東さんに言われて、はっとしましたね。
――先輩芸人の言葉って印象に強く残るんですね。
石本:名言をいっぱいもらってますね。ナインティナインの矢部(浩之)さんにかわいがってもらっていた頃、「売れたいなら、売れてる人と遊びな。売れてない奴と文句ばっかり言っていてもダメだよ」と言われたこともありました。
びびる大木とやるせなすの石井(康太)で、「何で俺らはモテないのか」を延々話した結果、女性に気配りができてない、という話になったんです。それをゴルゴ松本さんに言ったら、「モテたい話をするのに、なんでモテてる奴がひとりもいないの?」と言われて。
――矢部さんの話と重なるところがありますね。