「電力自由化で電気代が安くなる」
「さまざまな電力プランで電気代をもっとお得に」
ワイドショーや新聞で報じられる「電力自由化」というニュース。自由化っていわれても、いったいなに?と、「?」だらけの人は多い。安くなる、お得になるっていうけど、そんなにうまい話があるのかしら、と疑問に思う人もいるはず。
わからないままにしておくのは危険。その基本を理解しておく必要がある。電力自由化が始まるのは、今年の4月1日から。この制度は、ごく簡単にいうと「電力を買う会社を選べる」ということだ。
現在、日本にある電力会社は、東京電力、関西電力、中部電力、九州電力など10社。それぞれ住む地域によって管轄が区分けされており、私たちは自動的にそこから電力を供給されている。自由化が始まれば、既存の10電力会社以外からも、自由に電力を買うことができるようになる。「電気売ります」と、新規参入に名乗りをあげている企業はすでに100社ほどあり、各企業がさまざまなプランを用意している。
『電力自由化入門』(good.book刊)の著者でRAUL代表取締役の江田健二さんが言う。
「電力自由化をわかりやすく言うと、これまではお米を作れる会社は10社しかなかったけど、2000年頃から段階的に“誰でも作っていいよ”、“作ったら自分たちで食べてもいいよ”、“余ったら他の人に売ってもいいよ”というように、少しずつ門戸が広がりました」
日本の電力供給は、戦後GHQに定められ、各地域に電力会社が1つという地域独占形態になった。競争がなく、市場が独占されているため各社は「電力を安定的に供給する」というただひとつの目標を持って、設備投資などに注力してきた。
それが1995年に発電の自由化が認められ、2000年以降は段階的に売電が認められ、企業や中小規模の工場への電力販売が自由化された。そして今回、一般家庭への売電が“解禁”されることになったのだ。