ライフ

性表現での新展開に専門家「男のヘアヌード解禁でしょうね」

 日本で初めて美術館で開催された「春画展」が大盛況のなか幕を閉じた。江戸時代の性風俗が、芸術と持て囃される現代、性表現はどこに向かうのか。このたび『性のタブーのない日本』を上梓した作家・橋本治氏に話を聞いた。

 * * *
 今でも性表現を芸術だと主張するアーティストはいますが、性表現に必然性があって、こだわりがあったのは1960年代半ばから70年代半ばの約十年だったと思います。武智鉄二が映画『黒い雪』で猥褻罪で訴えられ、大島渚監督の映画『愛のコリーダ』が猥褻論争を引き起こしました。

 もう、あの時代で、ほとんどやり尽くしている。175条(猥褻罪)が存在する限り性表現は終わらないと言う人もいますが、もはや行き着くところまで行っちゃったでしょう。

 ネットで簡単に無修正動画が見られる時代になり、改めて性のモラルが問われていますが、それ以前に、ビデオカメラやデジカメが普及したことで性道徳のひとつが大きく崩れました。

 フィルム写真の時代は現像所に出さなければならないので、いわゆる猥褻画像は撮れなかった。でも、今は誰もが簡単に撮影し、所有できてしまう。そうしてエロ動画を見ただけで完結するようになり、性欲の処理に困ることは少なくなりましたが、その代償として、養老孟司さんがよくおっしゃっているように、男たちがどんどん「脳化」してきて、下半身による運動的快楽を求めなくなってしまいました。

 最近の若い子は、オスっぽさがあまり感じられないですもんね。男が「草食化」する一方、逆に、女はポルノ好きになってきています。今、ポルノ小説を書いている人は、ほとんど女流作家ですよ。何かと話題になっている春画も女性の方が受けがいい。

 だから、女性誌や一般誌で春画特集をやることはあっても、若い男性が読むような『週刊プレイボーイ』ではやらないんです。根本のところでは春画を芸術だと思って眺めている人なんて、いないと思いますよ。外国人はわからないですけど。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
「What's up? Coachella!」約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了(写真/GettyImages)
Number_iが世界最大級の野外フェス「コーチェラ」で海外初公演を実現 約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン