特集
2016.01.29 15:59 週刊ポスト
80年代発 金冷法に医師「更に悪化させてしまう恐れも」
ネットの進歩により、今の若者たちはインターネットで“性”を学ぶのだろうが、1980年代の若者は、性知識を指南する雑誌で知識を仕入れたものだった。
その代表的存在が『スコラ』だ。『スコラ』は1982年、『GORO』(小学館刊)や『プレイボーイ』(集英社刊)に対抗する若者向け総合雑誌として創刊された。しかし当時の誌面には、今ではクビを傾げざるを得ないような情報も多かったようだ。
若者向けの雑誌だけあって、「早漏」は極めて深刻な問題として、たびたび対策が取り上げられている。1989年1月1日号「堂々50ページ 君と僕の『性のナマ録』大百科」では、かの有名な金冷法を紹介。
〈“金冷法”はペニスのフクロの部分に冷水をかけることで、男性器の反射機能を高める方法。この方法をさらに一歩進めたのが、右図の“入浴と金冷法の合体術”となる。入浴中にペニスを冷やしては温め、温めては冷やし、冷水とお湯の温度差で、ペニスをよりいっそう強化しようというわけである〉
と、イラスト入りで解説している。
さらに1986年9月11日号では「2冷1温1冷法」として、次の手順を挙げている。
〈(1)ペニスを握りしめて1分間冷水につける。(2)別の冷水にペニスを入れ、ペニスの裏の皮を上下運動。(3)お湯のなかでペニス全体を手のひらで揉む。(4)再び(1)をやれば、ハイできあがり〉
果たして効果は期待できるのか。
「基本的に早漏は精神的な原因によるものが多く、金冷法にはほとんど効果はありません。それどころか、冷水と温水で交互に刺激を与えることで、よりいっそうペニスが敏感になり、早漏をさらに悪化させてしまう恐れもあります」(池袋ユナイテッドクリニックの細田淳英院長)
細田院長によれば、「挿入してから約2分以内に射精してしまう方の症状を早漏症と呼んでいる」とのこと。現在では、プリリジーという内服薬で治療が可能になっている。
「約75%の方に早漏防止効果が認められたというデータがあり、プリリジーを服用した途端、持続時間を3~4倍も延ばせるようになったとの報告もあります。プリリジーによってセックスパートナーの満足度が2倍になるというアンケート調査の結果もあるほどです」(細田院長)
金冷法はもはや時代遅れというか、“迷信”に近い。
※週刊ポスト2016年2月5日号
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