にもかかわらず〈新政策決定後の円高・株安は、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の行き詰まり〉(朝日新聞)などと否定論を大々的に展開するのは、「アベノミクスの足を引っ張りたい人によるアナウンス。こうした報道を鵜呑みにしないほうがいい」と永濱氏は指摘する。
とはいえ、マイナスの影響を受ける金融機関がないわけではない。金融ジャーナリスト・小泉深氏がいう。
「地銀や信金など中小の金融機関は、リスクの高い融資を避けて国債による運用しかしてこなかった。そのため審査能力を失ってしまっている。地方の人口減も加わって、負のスパイラルに陥る可能性は高い。金融庁は昨年、合併や提携などを提案したが、“地方の殿様”である地銀は真剣に受け止めなかった」
銀行本来の役割である企業への融資を怠り、経営を改善してこなかったツケが回ってくるという。
※週刊ポスト2016年2月26日号