「呼び名をつけてもらえるのはありがたいことだけど、“適当”という括りにも最近困っちゃって、何をやったら適当になるか考えちゃうね。大のあとでトイレの水を流さなきゃいいのかな、とかね。『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)の時のように真面目な清川虹子の指輪をまた口の中に入れるわけにもいかないし、その場で脱いだら警察に捕まるしね。
だからクラブでオネーチャンを口説くのも大変。連絡先を聞き出そうと思っても、『もうぉ、高田さんってテキトーなんだから』ってかわされちゃう。笑って誤魔化すしかないよね、そういわれちゃったら。かと思うと、静かに飲んでると、『高田さん、調子悪いんですか?』だって。オレだっていつもうるさいわけじゃないし、店に入るなり、オネーチャンの頭の上にアレを乗せて『チョンマゲ!』ってやるわけにもいかないからね」
いったいこのエネルギーはどこから来るのか。
「どうやって元気を出すか? というより、若い連中が元気ないんだと思うよ。車には乗らない、金は使わない、エッチはしない、でしょ? 日本を明るくするためには、若い世代に頑張ってもらわないと。そりゃオレだって元気を維持するのは大変だよ。女房だってさあ、会った頃はボンキュッボンのいい女だったけど、今さら襲うわけにもいかない。ここは不倫しかないか(笑い)。相手は、そうだな、沢尻エリカがいいなあ」
高田純次、どこまでも人を喰っている。しかしこれも、人との間に“壁”を作らないという高田流のコミュニケーション術だ。高田の優しさ=軽さに、人は心をなごませ、自然と笑顔になってしまうのである。
◆たかだ・じゅんじ/1947年1月21日、東京都生まれ。東京デザイナー学院卒業。1971年、劇団「自由劇場」の研究生となり、1年後イッセー尾形らと劇団を結成するも解散。4年間の宝石デザイナーを経て、1977年に「劇団東京乾電池」に入る。1985年『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』に出演し、人気は全国区となる。
取材・文■角山祥道 撮影■樂滿直城
※週刊ポスト2016年2月26日号