「永久追放が妥当かどうかは、野球賭博との比較になると思います。野球賭博は昨年の巨人の投手のケースでは、野球協約により永久追放となりましたが、それより悪いことか、悪くないことか。球界の人たちが考えることだと思いますが」

 刑の重さでいえば、賭博(常習だと3年以下の懲役)より、覚せい剤所持(10年以下の懲役)ほうが重い。青少年への影響など考慮すべきことは他にもたくさんあるが、それでも薬物使用者への対応が甘い感は否めない。これでは芸能・スポーツ界の違反者はなかなか減らないのではないだろうか。

 芸能界では、身体検査を厳しく行う動きも出始めている。爆笑問題の元マネジャーが覚せい剤事件で逮捕されたこともある芸能事務所「タイタン」では、所属タレントや社員の抜き打ちの薬物検査を実施しているという。しかしこうした取り組みは一部にとどまる。

 更生に関して、簡単に復帰できるといわれる芸能界と比べて、一般のケースはどうなのだろうか。

「家族の懸命の支えや『ダルク』など支援団体のサポートを受けて薬物依存から脱却した人たちは、友人などに仕事を紹介してもらうなどして再就職します。ただ、ゼロからのスタートなので捕まる前よりも仕事は大変です。新しい職場に馴染めず苦しんでいる時に、昔付き合いのあった売人から携帯に連絡があって、再び薬物に手を染めてしまう人もいます」(前出・小森さん)

 更正できるかどうかは本人次第であることは芸能界も一般社会も同じだ。薬物に手を出した芸能人が再び芸能界に戻っても同じ行為を繰り返せば、ファンからはそっぽを向かれやがて淘汰されていく。

 清原は現役時代から薬物に手を出していたといわれており、断ち切るのはそう簡単なことではないだろう。今後、起訴され、裁判で有罪判決となれば罪を償っていかなければならなくなる。杉村が言うように、更正の話をするのはそれからでも遅くはないはずだ。

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