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2016.02.22 07:00  週刊ポスト

イスラム国 憎悪と報復の連鎖を止める方法は「話し合い」

 国際社会にいま起きていることは、サミュエル・ハンティントン氏がかつて主張したような「文明の衝突」ではなく、「悪の拡散」だと経営コンサルタントの大前研一氏はいう。従来の「国民国家(ネーション・ステート)」の概念を覆すイスラム国(IS)の出現によって混迷をきわめる状況を解決する方法について、大前氏が解説する。

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 本来なら欧米先進国はISを攻撃する一方で、自国内におけるイスラム系住民の貧困や宗教的偏見・差別を解消していかねばならない。しかし、この問題に真正面から取り組み、大きな成果を上げている政府は寡聞にして知らない。

 積極的に難民を受け入れてきたドイツのアンゲラ・メルケル首相も、昨年の大晦日にケルンで移民や難民申請者らが女性に性的暴行を加えたとされる事件が発生して以来、世論の風向きが大きく変わって窮地に立たされている。欧米各国では極右勢力伸張、移民排斥の動きが加速する一方だ。しかし、それによって移民、難民はますます追い詰められ、さらに「隠れISテロリスト」が増殖するという悪循環に陥るだけである。

 また、アメリカ主導の有志連合やロシアによるISへの空爆は凄まじい破壊だが、実際には意外に効果が上がっていない。それどころか、自分たちは遠くで安閑としながら他国の人々を爆弾やミサイルで殺戮するレイジー(無精)な国家が空爆を激化すればするほど、悪は拡散する。ISテロリストは、空爆では抑え込めないのだ。

 あえてISの立場から考えると、圧倒的な軍事力を有する欧米やロシアなどの国民国家群と戦う手段は、彼らのホームグラウンドでテロを起こし、民衆を脅かして空爆をやめるように世論を誘導するしかない。したがって、このままでは永遠にテロはなくならないだろう。

 では、憎悪と報復の連鎖を止める方法はあるのか? 私はやはり「話し合い」しかないと思う。

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