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習近平vsソロス 人民元をめぐる綱引きの勝者は?

 管理変動相場制を採用する中国は為替介入によって事実上、元ドルレートを一定の範囲内に固定している。

 しかし、すでに世界の投資マネーは続々と中国から逃げ出しており、中国人民銀行は元の暴落を防ぐために必死のドル売り元買い介入を続けている。結果、2015年だけで外貨準備高は約56兆円も減少し、ピーク時の2割を失った計算になる。冒頭の中国メディアの報道のように、中国政府は「まだまだ外貨準備はある」と主張しているが、「それでも海外投資家の空売りは止まりそうにない」(前出・佐藤氏)。

 中国が強弁すればするほど元への信用は失われ空売りが続くのだから、なんとも皮肉である。

 このままソロス氏をはじめ世界中のヘッジファンドが元を空売りし続ければ、中国が人民元を買い支えられなくなる可能性がある。元切り下げに踏み切った段階でソロス氏の勝利。中国側がしのぎきれば中国の勝利となる。

 世界一の外貨準備高を誇る世界第二位の経済大国と、世界一有名な投資家による我慢比べの殴り合い。どちらが勝つかは、中国経済のみならず今後の世界経済を大きく左右することになる。

※週刊ポスト2016年3月4日号

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