ライフ

イチローのユニークTシャツに学ぶ大人の自己主張力とは

自己アピールはさりげなく

 日本人メジャーリーガーのイチロー選手のユニークTシャツが今年も話題になった。大人力コラムニストの石原壮一郎氏は、そこに大人の自己主張力を見る。

 * * *
 さすがイチロー、今年も期待に応えてくれました。いや、まだシーズンは始まっていませんが、まずはすっかり恒例となったオリジナルTシャツで、海のこっちから応援している私たちを喜ばせてくれています。

 マーリンズのイチロー選手は、2月23日にキャンプイン。初日のTシャツは、バットを持っているイチローっぽいイラストの横に「人生は42歳から始まるんやて」と書かれていました。ダウンタウンの浜田雅功から贈られたもので、イラストも浜ちゃん作だとか。2日目は「肩もわりかし強いほうやし」、3日目は「守りも固めやし」という文言が、同じイラストに添えられていました。

 去年のキャンプイン初日のTシャツは、前がカジキのかぶり物をしたイチロー風の少年のイラストと、小さく「♪おうえんしてくださいなんて~ いわないよ じぇったい~」の文字、そして背中に「応援よろしくお願いします」と太文字で書かれたツンデレ仕様。このページでも、そこから大人の「裏表使い分け力」を学ばせてもらいました。

 今年のTシャツからも、大人にとって大切な教訓を受け取ることができます。42歳のイチローは、メジャー現役野手最年長。大リーグ16年目となる今シーズンは、メジャー通算3千本安打まであと65本、メジャー通算盗塁数も500盗塁まであと2など、さまざまな大記録がかかっています。しかし、チーム内での役割は“4人目の外野手”で、今のままだと打席に立つ機会は少なく、記録の達成は容易ではありません。

 そんな状況での「人生は42歳から始まるんやて」「肩もわりかし強いほうやし」「守りも固めやし」の三連発。年齢に対する周囲の不安をけ散らし、自分の持ち味をアピールしています。ひじょうに果敢かつ堂々とした自己主張で、ひとつ間違えると押しつけがましい印象になりかねません。しかし、浜ちゃんの素朴なタッチのイラストとの組み合わせや関西弁の響きのおかげで、ほのぼのした雰囲気を醸し出しています。

 イチローへの尊敬を込めつつ、私たちもそのノウハウを見習いましょう。上司には、折に触れて自分の持ち味をアピールしたいところ。まずは、何気ない世間話を装って「昔から男の働き盛りは〇歳(自分の年齢)からって言われているそうですよ」と伝えます。次の日は上司の前をウロウロしながら、関西弁で「人脈もわりかし広いほうやし」と独り言を呟いて、さらに翌日も「頭もやわらかめやし」などと呟きましょう。

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
3大会連続の五輪出場
【闘病を乗り越えてパリ五輪出場決定】池江璃花子、強くなるために決断した“母の支え”との別れ
女性セブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン