一方、2000年にカルロス・ゴーン社長が就任してから社風が変わったのが日産自動車。かつては高学歴の社員が多く、社内で派閥抗争に明け暮れていた時期もあった。現在の日産の社風を表すキーワードは「語学」と「女性」だ。

「フランス・ルノー傘下となって以降、リストラと同時に中途採用を多く実施した。語学ができないと出世できず、海外に行くのが当たり前の雰囲気がオフィスに充満するようになった。

 また、女性がのびのび働ける環境があるのも特徴。ゴーン社長がヘッドハンティングした星野朝子氏は日産で女性初の役員(専務)となり、国内営業トップを務めている。ゴーン社長付広報を務めていた田中径子氏は一昨年、ウルグアイ大使に抜擢されるなど、活躍が目覚ましい」(福田氏)

 一方、外資系の文化が浸透したことで肩身を狭くする社員も現れた。

「ノーネクタイでヒゲを伸ばすなど小洒落た若い社員が多いが、彼らは“仕事が終われば自分の時間”と飲みにもあまり行かない。ゴーン体制に馴染めず、かといって社外に飛び出す機会もなかったような古参社員は、外国人や若手が闊歩するオフィスで日本人だけで群がり、“別の会社になってしまった”と嘆いている」(福田氏)

※SAPIO2016年3月号

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