「CGMを行なったら、寝る前のインスリン投与で低血糖が起こり、その反動で日中に高血糖になっていました。そこで、インスリン投与のタイミングを変えたり、量を調節したところ、低血糖は少なくなりました。患者さんからは悪夢を見なくなり、よく眠れるようになったといわれたこともあります。24時間の血糖値の変化をグラフで確認できなければ、このような調整はできなかったでしょう」(西村准教授)

 CGMは、一定の条件を満たす糖尿病患者で保険適用となり、3割負担で1回約5000円だ。軽症の患者にも有効であるため、今後はすべての糖尿病患者に対し、保険適用となることが望まれる。軽症の場合、食後の血糖上昇に対し、野菜を先に食べることで上がり方が緩やかになったり、食後に昼寝をすると血糖値が上昇するが、散歩をするだけで血糖上昇を抑制できるなど、治療効果の見え方にも期待できる。

 現在、ヨーロッパでは2万円前後の安価なCGMが販売されはじめた。日本でも導入に向け、承認申請の動きがある。糖尿病のテーラーメイド治療のためにも、早い時期の導入が待たれる。

■取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2016年3月11日号

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