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体育館にあった肋木 スウェーデン体操衰退で取り残された

昭和初期のスウェーデン体操(萩博物館提供)

 学校の体育館の壁にあった、あの“謎の大きな梯子”。肋骨のように木の棒が並べられていることから「肋木(ろくぼく)」という名前がある。これは「スウェーデン体操」で用いられるれっきとした運動器具だ。

 スウェーデン体操は19世紀にスウェーデン人の生理学者ペール・ヘンリック・リングが生理学、解剖学の理論をもとに考案したもの。肋木に一定時間ぶら下がった状態で静止したり、ぶら下がった状態から両足を折り曲げたりするなど、かなり負荷の大きい全身運動を行なう。姿勢矯正や体力増強が図れるものとして、第二次世界大戦前には世界各国の軍隊で採用され、40か国で実施された。

 日本へは1902年(明治35年)に伝わった。1926年(大正15年)に施行された「改正学校体操教授要目」に取り入れられ、肋木は全国の小・中学校に設置されることになった。

 しかしその後、スウェーデン体操は徐々に衰退。1971年(昭和46年)には一時、「小学校学習指導要領」に器械運動のひとつとして「肋木」が採用され、復権するかに思われた。が、指導者が育たなかったことなどから、スウェーデン体操はやがて忘れ去られ、肋木だけが取り残された。

※週刊ポスト2016年3月18日号

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