スポーツ

角居勝彦調教師 桜花賞のためだけではない牝馬トライアル

 チューリップ賞を皮切りに、始まった桜花賞トライアル。牝馬にとって、マイルをこなせることは大きなセールスポイントになる。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」より、桜花賞のためだけではない牝馬トライアルについて解説する。

 * * *
 花吹雪の栄冠、桜花賞。クラシックの緒戦でもあり、注目度も高い。陣営としてはぜひとも勝ちたいGIですから、トライアルにも力が入ります。上位馬に優先出走権が与えられるのがチューリップ賞(3着まで優先出走権)、アネモネS(2着まで)、フィリーズレビュー(3着まで)。トライアルではありませんが、翌週には3歳牝馬による重賞フラワーCもあり、2着までにはいれば本賞金が加算されます。

 角居厩舎はチューリップ賞を2007年にウオッカで勝ち、2008年にはトールポピーが2着に入って優先出走権を獲得していますが、2頭とも前年の2歳チャンピオンなので、ここは本番前のひとたたきという意味合いでした。

 思い出すのは2005年のディアデラノビア。新馬戦、白梅賞と連勝。シーザリオが同期生ですが、この時点ではディアデラノビアのほうが「絶対にGIを獲る」と評価されていました。

 3月5日のチューリップ賞では1番人気に推されたものの7着。こんなはずはないと翌週のフィリーズレビューで連闘しましたが、クビ差の4着で桜花賞出走はかないませんでした。

 サンデーサイレンス産駒。とても敏感で気性も荒く、その特徴が吉と出て牝馬としては早くから体が完成されていた。そんなこともあっての連闘。今では考えられないローテーションです。1か月後、オークストライアルのフローラSでやっと勝つことができました。オークスでは3着に入り、その後は重賞のみを走りました。

 残念ながらGI制覇はかないませんでしたが、海外へも2度遠征。2010年に生まれた第2子ディアデラマドレも3つの重賞を勝ってくれました。とても思い出深い母娘です。

 フィリーズレビューには桜花賞出走とは別の意味もあります。チューリップ賞とアネモネSは本番と同じマイル戦ですが、フィリーズレビューは阪神の1400メートル。しかし、距離的な区別はないと私は考えます。

関連キーワード

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン