芸能

勝谷誠彦氏 文筆家としてのデビューはBL小説だった

中川:おおおっ! オレ、ブロス出身だよ!

勝谷:『TV Bros.』ってやっぱりサブカルのトップなの?

中川:僕としては、『TV Bros.』の編集をやったから、もうほかの雑誌はやらなくてもいいか、って思えるくらいの雑誌だと思います。だから、僕はネットのほうに進んでったっていうのもあるんですよ。いわば、雑誌の世界でサブカルの最高峰のことができたから、もうほかはいいやっていうレベルですね。

勝谷:なるほどね。

中川:ブロスってやりたい特集が全部できるんですよ。ただ単に僕はカエルが好きだっていうだけで、カエル特集もやりましたしね。たとえば梅雨の季節になったら「つゆ特集」を組むんですけど、もちろん「梅雨」も取り上げるんだけど、同時に桃屋の「つゆ」も取り上げたりして。

勝谷:ただの語呂合わせね。

中川:それでもOKが出ちゃう包容力の大きさなんですよね。そういう『TV Bros.』で編集者としてやらせてもらったのはすごく感謝してます。

勝谷:雑誌編集者としての達成感があったんだね。

中川:ブロスをやれたことで、「成し遂げた」っていう感覚がありましたね。

勝谷:ごめんね。ただオヤジが自慢してるだけみたいになって(笑い)。でも、カルチャー系のライターというとちょっと市場が大きすぎるよな。もうちょっとジャンルを絞らないと。いちばん多いのは、いまでもやっぱり映画と音楽なのかな。でも、これはもう古くから業界にいるジジイとババアがずっとおさえちゃってる。しかも、ジジイやババアがそれぞれ、レコード会社や映画会社とガッチリ手を組んでてね。利権だね。

中川:そうそうそう。既得権益ですよ。本当にジジイとババアはウザい人ばっかりですよね(笑い)。

勝谷:そんなことを言って、若いライターを巻き込んで、明るい未来を潰しちゃダメだよ(笑い)。

 ちなみに、僕は19歳でBL雑誌に小説が載って、そこからとりあえず名刺を作ったの。「ライター」っていう肩書の名刺をね。で、それを持って徹底的に風俗雑誌を回ったんだよ。サングラスかけて帽子を被って。「いくつ?」って聞かれたら「30歳そこそこですよ」とか言いながら。でも、そこからエロ取材の仕事がくるようになったからね。風俗にはヒエラルキーはないからすごくいい。ライターはエロから。

中川:ははは! 名言ですね。

勝谷:この番組のスタッフもそこで思いっきりうなずいてるよ。いままで僕の話なんか全然聞いてなかったのに(笑い)。

 でも、本当にそう。エロの業界の人って、差別をしないの。どこにコネがあるとか、どこの出版社で仕事をしてるとか、そんなことにはこだわらない、いい人ばっかりなんだよ。

スタッフ:たとえば、ポルノ映画から、才能がある映画監督が次々と生まれるというのも同じなんですかね?

勝谷:そうだと思うよ。ポルノやAVは、予算は安いけど実験的なことができるからね。すごくいいと思う。

撮影協力■ネコ文壇バー 月に吠える

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