彼ら経営幹部が参加した社長月例(※注2)は不正会計の温床だったといわれている。そこでトップから「工夫しろ」「できないなら窓から飛び降りろ」といった圧力があったことは報道されている通りだ。
【※注2/東芝社内では社長が経営幹部を集めて毎月下旬に行なわれていた。不正会計問題発覚後の2015年7月には廃止されている】
「不正会計が巨額に膨らんだのは、上からの圧力だけが原因ではない」とA氏はみる。
「東芝は所属する事業部ごとでもらえるボーナスの額に2倍以上の開きが出る。その仕組みが社全体として悪い方向に出て、“チャレンジ”が常態化してしまったのかもしれない」
B氏の話。
「東芝ブランドに傷をつけたという意味では経営者の責任はあるけれど、それ以前に業績が上がっていれば“チャレンジ”は要らなかった。歴代社長だけのせいにするのは格好悪い。
入社直後はニッポンの技術を支える東芝に入社できて晴れやかだった。東芝社員として胸を張れる日が1日でも早く来るように、頑張るしかありませんね」
※週刊ポスト2016年4月8日号