庁舎内に入るときは受付でチェックがあるため、こちらもセキュリティは万全だ。しかも、認可保育所だから保育料は議員会館の認証保育所よりさらに安い。千代田区の基準では、年収1000万円以上の世帯でも第1子の3歳児の保育料は月額2万2600円、4歳児は1万8000円となっている。「従業員枠も原則は同じ」(同前)というが、認可保育所に落ちたために保育料が高い認可外保育所に通わせている世帯には垂涎の的だろう。

 この他にも、霞が関には文部科学省や国土交通省の庁舎内に保育所がある。その先駆が2001年に開設された文科省の「かすみがせき保育室」(定員30人。保育時間は午前8時30分~午後10時)だ。

 こちらは認可外保育所だが、庁舎の屋上に広い園庭があり、文科省の職員共済組合が経営しているため、保育料は0~4歳児まで月額6万円前後と安い。民間からの申し込みもできるが倍率が高く、文科省職員が最優先される。

 第1次安倍内閣の時に文部科学政務官を務めた小渕優子氏も、退任後に同保育室に子供を預けていた。

 厚労省は全国の待機児童の総数を約2万3000人と発表していたが、認可保育所に落ちて育児休暇を延長したり、仕方がなく高い認可外保育所に預けて空きを待っているケースをカウントしていなかった問題が発覚。「わざと少なく見せていた」と批判された塩崎恭久・厚労相はそうした人数を含めると本当の待機児童は公表の3倍、約7万2000人に達することを国会で認めた。

 自分たちが利用する保育所がどこよりも充実しているようでは、待機児童ゼロの本気度を疑われても仕方がない。

※週刊ポスト2016年4月15日号

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