人形やぬいぐるみに海外ロケや大物の取材に行かせるのは、『ジャンクSPORTS』(フジテレビ系)の「浜田地蔵」や「浜田大明神」、『にじいろジーン』(関西テレビ・フジテレビ系)の「ジーンちゃん」も浮かぶ。これらは村上氏と関わりはないものの、私を含め、『WIN』時代の作家が度々他局でアイディアを出していたことで広まった手法である。
『さんまのまんま』(関西テレビ・フジテレビ系)の「まんま」のように大がかりになってくると、運賃タダというわけにはいかないだろうが、めざまし君やジーンちゃんサイズだったら大丈夫。
現場のディレクターが“人形遣い”として、かわいく見える角度で撮影したり、キャッチーな台詞で人気ナレーターや声優がアテレコをつければ、番組キャラクターはみるみるうちに育っていくのである。
ちなみに、『めざましどようび』で佐野アナらとロケに出ているめざまし君の声は、「カチカチカチカチ」という秒針の音だった。『ブラックワイドショー』『ブラックバラエティ』の村上和彦氏ならではの“演出”だ。
私が出演している『ドデスカ!』(メ~テレ)には、番組ではなくテレビ局のキャラクターである「ウルフィ」が、昨年12月まで『ドデスカ!』内でダンス中継に出ていたが、4月からは、お天気コーナーに出たり、スタジオのヒナ壇に座ったりと、露出が増えてきた。
聞けば、「関連グッズが売れ始めたので、もっといけ」と、お達しがあったそうだ。ウルフィは「羊の皮をかぶった狼」という設定で、ぬいぐるみにはファスナーが付いていて、羊の毛皮が外れる仕組みになっている。
実は先日も東京で行われた某ドラマの出演者インタビューにアナウンサーが持参してきたウルフィは、「かわいい」「そのファスナーは何?」「持って帰ってもいいですか?」と主要キャストらから引っ張りだこ。「これで、またウルフィのぬいぐるみが売れる」とメ~テレ関係者もほくほく顔だった。
マスコットにキャラクター付けをして演者と共に、あるいは単独でロケに行かせるやり方は、「子供だまし」ならぬ、大人もだますビジネスに発展中。
元祖はWINちゃん。発案は村上和彦氏。『めざましどようび』でのめざまし君の活躍と視聴率上昇に期待している。