一方、久美子社長率いる大塚家具の経営状況は芳しくない。今年3月の全店売上高は前年同月比88.2%。昨年3月が前年同月比62.2%なので、この2年間で売上高は約5割も減った。
大塚家具広報室は、「昨年からビジネスモデルを変更中で、店舗のリニューアルやお客様への対応などは途上段階です。時間がかかるかもしれませんが、徐々に取り組んでいるところです」と説明するが、このまま大塚家具が低迷を続けるようなら、勝久氏がいよいよ反転攻勢に打って出る局面も考えられるという。経済ジャーナリストの磯山友幸氏が指摘する。
「匠大塚が軌道に乗り、大塚家具が業績悪化を続ければ、大塚家具内に“久美子氏のやり方ではダメだ”という声が高まってくる可能性がある。勝久氏はそのタイミングを見計らっているのではないか。もしそうした状況が整えば、来年3月の株式総会では、社長更迭の株主提案を出すかもしれない」
父と娘の愛憎劇は続く。
※週刊ポスト2016年4月29日号