国内

英語力のお寒い日本「英語教育のあるべき方向性」とは

英語教育のあり方が問われる

 アメリカで発売され、話題となっている元「日本叩き」の人物と知られ、クライド・プレストウィッツ氏の書『JAPAN RESTORED(日本復興)』では、2050年の日本の姿が予測され、そこでは「将来、日本人はバイリンガル化する」と日本に対して好意的に分析されている。その予測は現実になるのだろうか。そして英語教育のあるべき方向性はどこにあるのか。

 英語によるコミュニケーション能力を検定するTOEICの国別スコアでは、日本は44か国中35位(2014年)。日本の英語力のお寒い状況はよく知られている。しかし、今世紀半ば、日本人はバイリンガル化していると『日本復興』は述べる。その予測通り、飛躍的に英語力がアップしているのだろうか。

 長年勉強しても英語がモノにならない、その現状に国も重い腰を上げはじめた。東進ハイスクール英語講師で文科省「英語教育の在り方に関する有識者会議」委員を務めた安河内哲也氏はこう話す。

「2020年度から、『読む』、『聞く』という2技能試験から『話す』、『書く』を含めた4技能の“新センター試験”が実施される。入試内容が変われば、教育現場も文法偏重からコミュニケーション能力としての英語を重視するようになる」

 その結果、現在小学生以下の子供たちの英語能力は改善し、外国人への道案内や日常的な会話に不自由しないという時代は2050年には達成できるかもしれない。

「ただし、将来は日常会話能力はかなり向上している可能性が高いが、バイリンガルとなるとハードルは非常に高い」(安河内氏)

 その上で、安河内氏は英語教育のあるべき方向性をこう説明する。

「英語教育改革の意識は、日本語を母語とした上でのもので、それを度外視したバイリンガル化は目指していません。あくまでもビジネスツールとして使いこなせるレベルを目指せばいいと考えています」

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン