国内

神戸山口組幹部射殺事件 抗争、金、怨恨など憶測飛び交う

神戸山口組幹部射殺事件の真相は?

 沈静化していたかに思われた「山口組分裂」抗争が、急展開を迎えつつある。5月31日に神戸山口組幹部・池田組の高木忠若頭が岡山市南区のマンションで射殺された事件で、6月5日に六代目山口組系の男が警察に出頭し、逮捕された。このまま“2つの山口組”は泥沼の報復合戦になだれ込むのか? フリーライターの鈴木智彦氏がレポートする。

 * * *
 高木若頭は岡山の繁華街の有名人だった。たとえば、市内で働くほとんどのタクシー運転手は、撃たれた高木若頭の顔や人となりを知っている。大都市圏の常識ではあり得ない、地方都市独特の距離感だ。

「山口組の分裂前は奥さんと小さなお子さんを連れ、駅前のホテルによく来ていた。ここを利用するのは池田組の人間だけ。トラブルがあってはまずいので、同業者は高木さんやその車、ナンバーを頭に入れている」(タクシー運転手)

 駅前の商店主は、警戒した顔つきながら、「この辺の店はけっこう池田組と付き合いがある」と話す。

「まだコインパーキングが普及する以前に、飲み屋のビルにカラーコーンを置いて、自分たちの駐車場に誘導したり、商売が上手」

 池田組は神戸山口組でもトップクラスの資金力と評される。金は力であり、暴力の源泉と考えて差し支えない。金のないヤクザは、本気の喧嘩だってできない。

 池田組の池田孝志組長は、分裂劇の引き金をひいた主要メンバーの一人で、神戸山口組では舎弟頭という重鎮だ。その後、(六代目山口組直参の)大石組や大分の石井一家といった六代目側の組織から組員を引き抜き、さらに六代目山口組大同会預かりだった木村会(元々は神戸山口組の山健組の有力組織)を神戸山口組に移籍させるなど、全国で活発に動いていた。そのため、こうした引き抜き合戦の余熱が、殺害の遠因ではないかという見方がある。

「六代目傘下を切り崩した池田組の現場責任者が、殺された高木若頭だった。池田組の看板があってこその仕事でも、ヤクザとしての器量がなければ不可能なこと」(神戸山口組側の組員)

 ただし、事件当日、暴力団筋では「抗争とは無関係」という観測が根強かった。

「引き抜きからは時間が経ちすぎている。こんな目立つ事件は、明確な怨恨や利害関係がないと起きない」(岡山市内の神戸山口組系幹部)

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
“もしトラ”リスクも…(写真/AFP=時事)
【緊迫する中東情勢】イラン・イスラエルの報復合戦、エスカレートすれば日本にも影響 “もしトラ”リスクが顕在化
週刊ポスト