スポーツ

靭帯移植後のダルビッシュと松坂 フォームの違いが分岐点

手術から復帰したダルビッシュ

 テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有(29)は昨年3月に靭帯移植手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、5月28日(日本時間29日)にメジャー復帰した。ところが、レッドソックス在籍時の2011年6月に同じ手術を受けた松坂大輔(35)は、日本球界に復帰した今も満足に投球できずにいる。松坂は、「自己管理」が足りなかったと米紙レッドソックス担当記者が指摘する。

「リハビリでキャンプ地に現われた松坂の顔は丸く、体はパンパンだった。太る体質にもかかわらず、ジャンクフードを食べるなど自己管理ができない」

 手術後の「メンタル」も大きな要素となる。1983年にトミー・ジョン手術を受け復活を遂げた元プロ野球選手の村田兆治氏が言う。

「手術後は球数が多くなると腕が腫れあがった。投げていて、“もう一回靭帯が切れたらどうしよう”という不安は常にあった」

 松坂は復帰後、こんな苦悩を漏らしている。

「体の中に怖さが残っているというか、無意識にかばう状態を作ってしまう」

 一方のダルは、手術自体を前向きに捉え進化して見せた。

「フォームの違い」も両者の分岐点というのは、NHKのメジャー中継の解説者で知られる野球評論家の高橋直樹氏だ。

「上背と柔軟性があるダルは、全身をバランスよく使って投げられる。球種も豊富なため、手術前より余裕を持ったピッチングができていた。一方で上背のない松坂は急いで腕を振り、パワーのある速球を投げようとするため、上半身と下半身のバランスが崩れる。術前のようにパワーでねじ伏せるイメージが消えれば、松坂は復活できるかもしれない」

 2人に大きな差はあれど、ファンとしては2大エースの復帰を期待したい。

※週刊ポスト2016年6月17日号

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン