芸能

小池栄子 コメディーもシリアス作品もできる演技力に高評価

社長秘書役が話題の小池栄子

 ここ数年、芸能活動の軸を女優業にシフトしている小池栄子(35)だが、もはや「タレントの…」と呼ぶのが適当でないほど女優としての評価が高まっている。現在放送中のラブコメディードラマ『世界一難しい恋』(日本テレビ系)でも、大野智(35)演じるホテルチェーン社長の秘書役が、多くの視聴者の間で好評のようだ。彼女の演技力の秘密はどこにあるのか。

 ドラマ評論家の成馬零一さんはこう分析する。

「小池さんはバラエティー番組の司会に定評があるように、場の空気を読んだり、全体を見たりすることに長けています。また、自分を客観視することができるので、グラドルである自分自身をネタにして笑いを取ることもありました。このようにバラエティー能力が高い人というのは、実は演技も上手なことが多く、小池さんもその一人だといえます。『世界一難しい恋』では大野智さん演じる社長の恋愛相談の相手になっていますが、そこでの軽妙なやり取りを演じられるのは、豊富なバラエティー経験が背景にあるからでしょう。『リーガルハイ』(2012年、フジテレビ系)でも弁護士の秘書役でしたが、秘書というのはある意味ツッコミ役なので、お笑いのことがよく分かっている小池さんには適役なのです」

 彼女の「頭の良さ」も演技力とは無関係ではないと成馬さんは指摘する。

「それは勉強ができるとかではなく、どんな人相手でも上手にコミュニケーションをとることができるということで、その対話能力は『カンブリア宮殿』(テレビ東京系)で共演する村上龍さんなどからも絶賛されています。ドラマや映画の現場でも、会話の中で制作サイドの意図をうまく汲み取って、何をやってほしいのかをちゃんと理解してから演技に入っているのだと思います」(成馬零一さん・以下「」内同)

 小池はデビュー以降、バラエティー番組を中心に活動してきたが、もともとは女優志望。女優として注目されるチャンスをうかがっていたに違いない。では、女優としての小池が覚醒したのはいつ頃だろうか?

「もともと演技は上手でしたが、2000年代はバラエティーのイメージが強すぎたので、あまり女優のイメージを持たれていなかったと思います。評価を上げたのは『接吻』(2008年)や『八日目の蝉』(2011年)といった映画作品です。『接吻』では、殺人犯に恋する独身OLがはまり役でした。2010年前後にいい映画作品に恵まれたということと、人気ドラマの『リーガルハイ』に出演したことが大きかったと思います」

 主演の『接吻』では、毎日映画コンクール女優主演賞など複数の賞を受賞した。出演する作品のジャンルも、コメディーからシリアスまで幅広い。何でもできる器用さはどこから来るのか。

「コメディーができる人は、シリアスにも対応できます。小池さんの場合は、大きな目を使ってコミカルにもシリアスにも持っていくことができます。シリアスもので超人的に何かに没頭する役をする時の狂気は、怖すぎるくらいです」

 小池といえば豊満なバストに目が行きがちだが、確かにあの大きな目も特徴的だ。これから30代後半に突入していくが、今後はどんな女優になるのだろうか。

「小池さんは我が強くなく、必要以上に自分をきれいに見せようとしません。恐らくメンタリティーが芸能人っぽくなく、一般人に近い感覚を持っているのでしょう。外見と内面のミスマッチが、コメディーでは笑いにつながり、シリアスでは恐怖につながります。小池さんは美人でスタイルも完璧なのに、見るからにセクシーな役は意外と少なく、地味な役を多く演じてきました。本人はそんなに主演にこだわりはないように見えるので、今後も脇でいい仕事をしていくのではないかと思います」

 あえてセクシーな役でなくても、自然に醸し出る色気だけでも充分。今後はどんな役柄を演じるのか? 女優・小池栄子は大きく飛躍しそうだ。

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