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2016.06.25 07:00  SAPIO

「日本を愛し過ぎてしまったアメリカ諜報員」P・ブルーム

ポール・ブルームは日米の終戦工作にも加わった 共同通信社

 戦後史家・有馬哲夫氏が新たに公開された機密文書から戦後秘史を読み解く『SAPIO』の連載。今回は、日本を愛し過ぎてしまったアメリカ諜報員について有馬氏が綴る。

 * * *
 終戦期にスイスで築いた対日インテリジェンス網を活かし、戦後、緒方竹虎(本シリーズの第二回に登場)や野村吉三郎(前号に登場)などの要人をアセット(注1)とし、日本を陰で動かしていたのは、本シリーズ第三回でも詳述したように、アレン・ダレスだった。

【注1:工作に使える人材】

 ところが、ダレスは、母校プリンストン大学のアーカイブに残るパスポートを見る限り、2回しか訪日していない。では、戦後の日本で、緒方や野村の日本版CIAや海上自衛隊創設の動きを本国のダレスに伝え、彼らをCIAのアセットとしたのは誰だったのだろうか。

 前述アーカイブとアメリカ国立第2公文書館の資料からは、少なくともその一人は、ポール・ブルームだったことがわかっている。彼はよく「初代CIA日本支局長」といわれるが、公文書は彼がOSS(CIAの前身)局員と国務省職員(GHQ外交部勤務)だったことしか示していない。

 彼の関係者、とくにOSSスイス支局で上司だったダレスの関連文書や国務省文書などから彼がダレスと緒方や野村とをつないだケース・オフィサー(注2)だったということがわかるが(拙著『「スイス諜報網」の日米終戦工作』新潮選書参照)、CIA所属だったか、それとも国務省職員兼ダレスの個人的エージェントだったかはわからない。

【注2:対象国で情報提供者や協力者のリクルートや「運営」を行い、情報を集め、協力者を通じて工作を行う役割を担う諜報員】

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