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2016.06.27 07:00  週刊ポスト

オバマ大統領が本気で「核なき世界」実現へ動くと期待

 オバマ大統領の後、安倍首相も演説をしたが、ほとんど印象に残らなかった。唯一の原爆被爆国として、世界にメッセージを発するいいチャンスだったのにもかかわらず。

 伊勢志摩サミットという大舞台も、「世界経済はリーマン・ショック前に似ている」という無茶な景気認識を述べ、アベノミクス失敗の言い訳をする場になってしまった。そして、近々行なわれる参議院選挙をにらんで消費増税再延期をいうために動いたように見え、日本国民の心も、世界の人々の心も、揺さぶることができなかった。

 だが、世論調査では、安倍政権の支持率はしばらくぶりに大きく跳ね上がった。このまま選挙で大勝し、憲法を変えようという下心が見え見えである。それでよいのだろうか。唯一の被爆国・日本のリーダーとして、世界の中で日本が果たすべき本当の役割とは、「戦争のできるふつうの国」になることではない、とぼくは思う。

 じっくり時間をかけてでも、「核なき世界」をつくるリーダーとして、安倍さんが生まれ変わってくれたら、日本の安倍ではなく、世界のアベになるはずである。

 オバマさんも、大統領任期中の単なるレガシーづくりのために来たのではないはずだ。プラハ演説は空手形だったが、大統領を辞めた後も、本気で「核なき世界」実現のために動き出すのではないかと、期待している。これからである。

 核なき新しい世界の枠組みをつくるのは容易なことではない。たった一度の米国大統領の広島訪問で、何かが大きく前進するとは思わない。しかし、それでも世界の平和のために歩を進めていくことは、原爆を投下した国のリーダーと、投下された国のリーダーの果たすべき責任なのではないか。

 平和記念公園をまっすぐに歩んでいく2人の影が、平和の灯のなかで揺らめく光景に、ぼくは希望を見出したい。

●かまた・みのる/1948年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県の諏訪中央病院に赴任。同名誉院長。チェルノブイリの子供たちや福島原発事故被災者たちへの医療支援などにも取り組んでいる。近著に、『「イスラム国」よ』『死を受けとめる練習』。

※週刊ポスト2016年7月8日号

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