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2016.07.11 07:00  SAPIO

児玉誉士夫 日韓国交正常化で竹島密約引き出しに貢献した

児玉誉士夫は政財界のフィクサーと呼ばれた 読売新聞/AFLO

 児玉誉士夫といえば、戦後最大の疑獄スキャンダルであるロッキード事件(*1)の中心人物として知られる。その児玉が1965年の日韓国交正常化の立役者としてどんな役回りを演じていたのかということはあまり知られていない。だが韓国政府も児玉の貢献に対し1971年に、二等樹交勲章を贈っている。それだけではない、CIAとアメリカ国務省もこの功績を大いに賞賛した。

【*1:1976年2月に明らかになったアメリカ航空機メーカーのロッキード社を中心とする贈収賄事件】

 なぜなら、日韓国交正常化は、アメリカにとっても大きな利益だったからだ。つまり、当時世界最貧国レヴェルにあった韓国にアジア一の経済国である日本が経済・技術援助を与えれば、韓国を軍事的・経済的に援助しているアメリカの負担がその分だけ軽減されるということだ。

 したがって、アメリカ情報機関は、李承晩政権(*2)のときから、日本の政界に日韓国交正常化を促してきた。だが、韓国側の要求があまりにも法外なために不首尾に終わっていた(韓国側の要求については後述)。

【*2:1948年から60年までつづいた反日独裁政権。国際法に反して勝手に軍事境界線を日本海と東シナ海に引いたことで悪名高い】

◆大物右翼は「親韓家」だった

 1963年に朴正熙(*3)が政権を握ったころからCIAと国務省は、日本の政治家ではなく、彼らを上回る影響力を韓国に対して持つ児玉を利用することを考え始めた。

【*3:日本陸軍士官学校出身で満州国軍中尉だった、現在の韓国大統領・朴槿恵の実父】

 とはいってもこれはネットで根拠もなく書きたてられているように、CIAや国務省が児玉をスパイにしたということではない。「ネット右翼」や反日韓国人が聞いたら仰天するだろうが、この大物右翼は、もともと韓国のためになにかをせずにはいられない「親韓家」だったのだ。

 というのも、父の破産で一家離散し、児玉少年がソウル近郊に住む腹違いの姉に預けられたとき、孤児同然の彼に唯一情けをかけてくれたのが現地の韓国系日本人(日本統治下では朝鮮人は法律上日本人だったのでこう呼ぶ)だったからだ。身内にさえ冷たくされた児玉は、生涯その恩を忘れることはなかった。

 児玉に恩返しの機会が巡ってきたのは、朴が1961年にクーデターによって軍事政権を樹立したときだった。民主主義的手続きによらない暴力的手段で政治の実権を握った彼は、その政権を認めてもらうのに苦労した。

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