国内

鳩山・安倍…戦後の歴代総理大臣 33人中13人が親戚だった

華麗なる一族(麻生邸)

 近年、日本社会には大きな変化が起きている。それは、権力の中枢が「名家・名門」に回帰していることだ。政界では安倍政権の要職を「政治家一族」で占め、財界では大企業のトップが次々、「創業家一族」に戻っている。いったい何が起きているのか──。

 政界の3大名門といえば、「安倍(岸)家」、「麻生家」、そして「鳩山家」だ。安倍晋三・首相と麻生太郎・副総理が縁戚にあたることは、世間にはなじみがなくても政界ではよく知られている。だが、安倍政権を支える岸田文雄・外相や宮沢洋一・前経産相(現自民党税調会長)まで結ばれ、実は政敵の鳩山家とも親戚だと聞けば驚く人は少なくないはずだ。

 安倍家と麻生家の両家を軸に系図を辿ると、吉田茂、鳩山一郎をはじめ、岸信介、池田勇人、佐藤栄作、三木武夫、鈴木善幸、宮沢喜一、細川護煕、橋本龍太郎、鳩山由紀夫と、戦後の総理大臣のうち13人が繋がり、まさに日本政界のエスタブリッシュメント(支配階級)を構成する閨閥が構成されている。

 この閨閥は皇室ともつながり、住友財閥、森コンツェルン(昭和電工)、日産コンツェルン(日産自動車)など多くの財界人、外交官、高級官僚、軍人を輩出してきたのだ。

◆吉田茂で繋がる

 まず両家のルーツから辿っていこう。安倍家は平安時代末、「前九年の役」で源頼義に敗れた安倍貞任の末裔を名乗っており、安倍首相自身、岩手県を遊説した際、「安倍貞任の末裔が私となっている。ルーツは岩手県。その岩手県に帰ってきた」と演説したことがある。安倍家は長州の大庄屋(造り酒屋)を務めた家系だが、華麗なる閨閥を誇るのは岸信介、佐藤栄作の兄弟宰相を生んだ母方の佐藤・岸家だ。

 岸家は長州藩の郡代官の家柄、佐藤家の祖・信寛は吉田松陰の兵学の師で明治維新後は島根県令(知事)などを務めた。両家は婚姻や養子縁組を繰り返して結びつき、戦前、「満州国の二キ三スケ」と呼ばれた岸信介、松岡洋右(満鉄総裁、外相)、鮎川義介(満州重工業=日産コンツェルン総帥)の2人の“スケ”は婚姻で結ばれている(二キは東条英機、星野直樹)。さらに佐藤栄作の次男・信二の夫人を通じて美智子皇后の実家の正田家や住友本家、森コンツェルン、三木武夫に辿ることができる。

 佐藤・岸家と麻生家の繋がりは、岸信介の従兄弟の夫人が吉田茂の長女で、すなわち麻生副総理の伯母である。

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン