1971年に創刊された日本で唯一の印章業界誌『月刊現代印章』の真子茂・編集長は「日本でハンコがなくなる事態は考えにくい」とする。
「ハンコは本人認証というよりは、“確かにこれに同意した”という意思表示の証拠としての意味が大きい。だから静脈認証や生体認証ですべて代替はできない。
意思表示の証拠として代わりうるのは『サイン』ですが、法改正など膨大な手間をかけてすべてサインに変えても、印章業界が損をして、得する業界はない。だから、誰もハンコをなくそうと本気では動かない」
世界にひとつだけの文化はまだ当分廃れそうにない。
※週刊ポスト2016年7月22・29日号