一緒にいた知人男性が覚せい剤取締法違反で逮捕されたことから、実際には薬物がらみのトラブルだった疑いが浮上している。
奇妙なのはメディアだ。事件から数日経っても、「指定暴力団神戸山口組傘下組織の斉木竜生幹部(64)が2人の男に射殺された」(朝日新聞デジタル7月19日付)などと、神戸側の幹部であることが強調された記事が相次いでいる。
「警察が神戸側の幹部であると発表しているので、記者クラブはそう書いているのでしょう。実は、暴力団がらみの殺人事件はしょっちゅう起きているのですが、普段は注目されない。それが、抗争によってクローズアップされているし、警察にもそれを強調しようとする意図がないわけではない。つまり本来は抗争と無関係なトラブルまで、警察とメディアによって抗争がらみに見せかけられている可能性があるのです」(同前)
前出の朝日記事では、「小中の通学路、警察見守り 名古屋の暴力団幹部射殺受け」として、警察の取り組みがアピールされていた。いったい警察は、抗争を阻止したいのか拡大したいのかどちらなのだろうか。
※週刊ポスト2016年8月5日号