これ以上、犠牲者を増やさないためには朝鮮学校の改革が不可欠です。しかしそれを、子供を学校に通わせる親たちに望むのは酷です。子供が学校に通う年頃になると、朝鮮総連やその関係者が家にやって来て、朝鮮学校に子供を入れるよう説得されます。在日の人たちは祖国に親戚縁者がいますから、そうした人たちが危害を加えられないために、子供を朝鮮学校に通わせるしかないのです。

 親の多くは朝鮮学校の教育内容に問題があることはわかっているのですが、どうにもできないでいるのです。

 日本に北朝鮮の教育をそのまま持ち込んでいる朝鮮学校を実質的に経営しているのは朝鮮総連です。まずは学校と総連を財政的にも人材的にも分離させ、教育内容を日本の社会や法律に合致させることが必要です。

 どこに住んでいようと、子供は守られるべき存在。ましてや日本に住んでいる子供なのですから、日本社会で守り、安心して生きていけるようにすべきです。

 朝鮮学校の改革はしがらみのない日本人にしかできません。朝鮮学校の本当の問題を日本の皆さんに知ってもらうことこそが、朝鮮学校改革に寄与するものと信じています。

●がもう・けんじ/1980年大阪府生まれ。フリーのシステムエンジニア。北朝鮮による工作活動の歴史を研究し、脱北者の高政美氏と共に朝鮮学校問題などについて情報発信を続けている。

※SAPIO2016年8月号

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