そしていま、国内のノートパソコン市場がスマホやタブレット端末、中国など海外メーカーの安価なパソコンの勢いに押されて伸び悩む中、VAIOの評価や注目度はむしろ高まっている。
「もともとVAIOはビジネスユースを追求した高性能と薄型・軽量を売りに根強いファンも多かったが、ソニーから分離して以降は、セレクトショップのBEAMSとコラボしてオシャレなデザインや斬新なカラーバリエーションを配した“遊び心”のある商品を出すなど、あらゆる可能性に挑戦している。
8月に発売するエントリー向きの『VAIO C15』も、最新性能はもちろん、イエローとブラック、オレンジとカーキなど、これまでのパソコンでは考えられなかったようなストライプのカラーリングで早くも注目を浴びている。ビジネスマンだけでなく、ノートパソコンに馴染みのない若者の興味を引くことができれば、大ヒットも夢ではない」(家電評論家)
新たな固定ファンをどれだけ掴むことができるか──。それはVAIOの将来を大きく左右する重要な課題でもある。前出の関氏が指摘する。
「VAIOはいまだにソニーの“遺産”として、往年のブランド力に助けられている面は大きい。今後、新しいブランドを立ち上げることがあるなら、その製品がきちんと認知されて初めて立派な“独立”と言えるのかもしれませんね」
●写真提供/横溝敦(大田社長)