◆「これはただ事ではない」
「南関東」に表われている異常とは、具体的にはどのようなものか。まず、6月後半から伊豆半島、伊豆諸島を中心に天城湯ヶ島7.08センチ、三宅8.59センチと、7センチを超える大きな変動が続いている。
「さらに長期的な隆起・沈降のデータでも伊豆諸島の三宅島が隆起している一方、近くの式根島と神津島は沈降し、その高低差は拡大を続けている。境目には相当な歪みが溜まっていると思われます」(村井氏)
「水平方向の動き」でも、伊豆諸島の大島、三宅島、御蔵島、八丈島、青ヶ島などがそれぞれ別々の方向に動いており、複数の場所で歪みが蓄積されていると考えられるという。
「複数の異常が重なったことから、『これはただ事ではない』と南関東を『レベル5』にしました。『震度6』を超える大地震がいつ起きてもおかしくない。ですから、くれぐれも警戒は怠らないでほしい。多くの人は首都直下型地震を心配しますが、関東のどこが震源になっても地盤の緩い首都圏は危ない」(村井氏)
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※週刊ポスト2016年8月12日号