国内

天皇陛下 国民統合の象徴としての在り方示されてきた

常に国民に寄り添われる両陛下。新年の一般参賀にて AP/AFLO

 唯一無二の存在として、孤高のお立場で重責を果たされる天皇陛下。その静かで孤独な闘いを文芸評論家の富岡幸一郎氏が解説する。

 * * *
 天皇陛下が、天皇の位を生前に皇太子に譲る「生前退位」のご意向を示されているという衝撃的なニュースが飛び込んできた。

 実はこのお考えは、数年前より周囲に繰り返し語られていたとの報道もある。平成二十二年末に喜寿を迎えられた天皇は、公務や宮中祭祀を精力的に励まれてきたが、平成二十三年二月中旬に東大病院に検査入院され、冠動脈狭窄症との病名が伝えられた(翌年二月に心臓のバイパス手術を受けられる)。その前後から、皇太子、秋篠宮と三人で話をする機会をしばしば作られるようになったという。そこで公務に関する事とともに、将来の皇室について重大な決意が語られたとしても不思議ではない。

 平成二十三年二月二十一日の皇太子の誕生日記者会見での発言には、次のようなくだりがあった。

《皇太子として両陛下をお助けしなければならないと考えておりますが、両陛下のご公務のあり方については、宮内庁内部でも検討がなされているように、ご公務の内容を考慮することによって、両陛下に過度の負担がかからないようにとの配慮が重要であると思います。しかし、同時に、このことは、天皇陛下として、なさるべきことを心から大切にお考えになっていらっしゃる陛下のお気持ちに沿って、進めるべきであると考えます》

 後段の「陛下のお気持ち」とは、天皇の地位にあって公務の責任を果たそうとする今上陛下の強い意志をさしているのは明らかであろう。皇太子として両陛下の公務を積極的に助け取り組むことの大切さを述べながらも、天皇自身が現行憲法下で即位されたはじめての天皇として、「象徴」という地位の役割に深い意味を自覚され、その責務を担っておられることを最大限に受け止めているからである。

関連記事

トピックス

STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
大谷翔平に“口裏合わせ”懇願で水原一平容疑者への同情論は消滅 それでもくすぶるネットの「大谷批判」の根拠
NEWSポストセブン
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
女性セブン
宗田理先生
《『ぼくらの七日間戦争』宗田理さん95歳死去》10日前、最期のインタビューで語っていたこと「戦争反対」の信念
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
JALの元社長・伊藤淳二氏が逝去していた
『沈まぬ太陽』モデルの伊藤淳二JAL元会長・鐘紡元会長が逝去していた
NEWSポストセブン
ムキムキボディを披露した藤澤五月(Xより)
《ムキムキ筋肉美に思わぬ誤算》グラビア依頼殺到のロコ・ソラーレ藤澤五月選手「すべてお断り」の決断背景
NEWSポストセブン
(写真/時事通信フォト)
大谷翔平はプライベートな通信記録まで捜査当局に調べられたか 水原一平容疑者の“あまりにも罪深い”裏切り行為
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
眞子さんと小室氏の今後は(写真は3月、22時を回る頃の2人)
小室圭さん・眞子さん夫妻、新居は“1LDK・40平米”の慎ましさ かつて暮らした秋篠宮邸との激しいギャップ「周囲に相談して決めたとは思えない」の声
女性セブン
いなば食品の社長(時事通信フォト)
いなば食品の入社辞退者が明かした「お詫びの品」はツナ缶 会社は「ボロ家ハラスメント」報道に反論 “給料3万減った”は「事実誤認」 
NEWSポストセブン