足の裏はちゃんと土踏まずがあるほうが健康的だと言われているように、ひかがみも両側がきっちりくぼんでいるのが理想の形。くぼみが美しいひかがみに出合ったら、心の中で手を合わせて「ああ、いいものを見せてもらった」と感謝しましょう。その際、追い越してさりげなく顔を確認するのは大人としてタブーです。感謝の気持ちが台無しになる可能性もあるし、顔が好みじゃなかったとしてもひかがみに罪はありません。
剣道や弓道においては、ひかがみをきちんと伸ばしたり力を入れたりすることが重要とされています。美しいひかがみの持ち主に対して「この女性は弓道をやっていたに違いない」と決めつけ、弓道着姿で弓を手に的を狙っている光景を想像してみるのもまた楽し。ただ、知り合って仲良くなった女性のひかがみが美しかったとしても、「もしかして、学生時代に弓道か剣道をやってた?」と尋ねるのは禁物です。なぜそう思ったかを説明すればするほど気持ち悪がられるでしょう。
また、東洋医学では、ひかがみの中央には「委中(いちゅう)」というツボがあるとされています。慢性的な腰痛があるときは、気持ちよく感じる程度の強さでゆっくり何度も押すと症状がやわらぐとか。パートナーが腰痛に悩んでいたら、うつぶせにしてやさしく押してあげましょう。必ずしも美しいひかがみとは限りませんが、「委中」を押したときの指の感触を記憶しておくことは、今後のひかがみ鑑賞活動に深みをもたらす効果がありそうです。
さあ、街では無数のひかがみがあなたを待っています。「ポケモンGO」のモンスターをゲットするのも楽しいですが、鑑賞することによるひかがみのゲットも男に生まれた喜びを感じさせてくれるでしょう。念のため申し上げておきますが、上りエスカレータでひかがみを見つめるのはセーフですけど、語呂が似ているからといって手鏡を取り出したら即座にアウトです。いや、そんなことする人はいませんね。ひかがみと手鏡のダジャレを披露したかっただけです。すいません。