芸能
2016.08.19 07:00 週刊ポスト
笑福亭鶴光 「10割狙うたらあかん。3割は滑ってもええ」

新宿末廣亭の前に立つ笑福亭鶴光
上方落語家・笑福亭鶴光の強みは68歳を迎えてもなおトライアル&エラーを怖れないことだ。鶴光は、若い頃、先輩にこう言われたという。
「10日間のうち7日間は、今日の客はどんなネタをやったらええかっつうのを当てないかん。でも3割は滑ってもええ。10割狙うたら、得意なネタだけをやることになる。これはあかん」
この言葉を肝に銘じたのだ。
「失敗すれば、なんで滑ったかを自分で考えるでしょ。そしたら、また進歩しまんねん。失敗を怖がって、得意なネタだけしてもしゃあない。逆に、マクラを語りながら、お客さんの顔を見て、今日はこのネタやな、と挑んで当たった日はやっぱり嬉しい。英雄になるか、晒し者になるかというお客さんとの真剣勝負が楽しいんです。
寄席には、笑福亭鶴光を好きな人も、嫌いな人も、知らん人も来る。これを全部自分の力でグッとこちらへ引き込んで、ポーンと笑わすのは難しい。でも、それがでけんとプロやないでしょう。やっている最中、せっかく乗ってきたのに堂々と席を立たれてがっくりすることもある(笑い)。池袋、新宿、浅草の寄席ではそれぞれお客さんの雰囲気も違う。ファンが来てくれる独演会もいいけど、一番鍛えられるのは寄席ですよ」
この覚悟もまた、落語家鶴光を永らえさせてきた要因なのだろう。
関連記事
トピックス

小川彩佳アナの『NEWS23』が苦戦、コロナ禍の生活変化が直撃か
週刊ポスト

花澤香菜は実写CMにも出演 日本人声優が中国で売れる理由
NEWSポストセブン

「宅見勝射殺事件」最後の生き残り・中野太郎元会長の生涯
女性セブン

コロナ入院にも“貧富の差” VIP病棟ではお得意様向けにベッド確保か
週刊ポスト

大江、水卜、永島、岩田、井上… 4月改編で女子アナ女王の座は?
週刊ポスト

増殖する「白ナンバーのウーバー配達員」はあまりにも危険だ
NEWSポストセブン

人気女優&女子アナが夫に選んだ「一般男性」のスゴイ年収
週刊ポスト

大相撲・初場所中継でネット騒然「溜席の妖精」に話を聞いた
NEWSポストセブン