「例えば、いちばん掛け金が高い東京の場合、保険金額1000万円で年間3万2600円(木造建築の場合。コンクリートの場合は2万200円/年)。ただし保険金は、火災保険の30~50%以内(最高でも5000万円以内)と決まっています。火災保険が3000万円なら、保険金額の上限は1500万円までです」

 地震で受けた損害は、全損、半損(※3)、一部損の3区分いずれかに認定され、それぞれに応じた保険金(全損100%、半損50%、一部損5%)が支払われる仕組みで、修理費をカバーできるとは限らないそう。ということは、カバーできない部分は結局、自腹になるのか…。

(※3)2017年から半損はさらに2区分になる予定。

「そもそも地震保険は、保険会社にもうけのない、被災者の再建支援を目的にした“国の制度”なんです。というのも、国と民間の損害保険会社が共同で運営しているから。地震はいつ起こるかわからないけど、起きたらその被害はとても大きい。なので、保険会社はリスクを試算できず、ずっと作れなかったんです。でも、当時大蔵大臣だった田中角栄さんの尽力で、昭和41年に『地震保険に関する法律』が制定され、国も保険金の支払い責任を負う保険制度として、地震保険が誕生しました。だから、誰もが加入できますし、年末調整や確定申告をすれば、最高5万円の所得控除にもなります」

 ってことは、年間5万円以下の掛け金の人は、その全額が所得控除になるの? あら、おいしいじゃない! でもまぁ、メリットはそこじゃないよね。地震でもし家がなくなり、ローンだけが残ったら? ましてや教育費がかかる時だったら? せっかく命が助かっても、その後の人生は大変なことに。叔母さんの苦労も目の当たりにしたし、地震保険の加入は、検討してもよいかもね。

(文/大上ミカ)

※女性セブン2016年9月15日号

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