高岡「なんかこういう時間が疲れを癒してくれるよね」
松坂「…言うの恥ずかしいからやめた」
高岡「なあに? 言ってみて」
松坂「…こんなに素敵ないい時間はないですよ」
恥ずかしさからか、少し鼻にかかった声でそうもらした松坂。照れ笑いを浮かべ、少しの沈黙が流れる。声のトーンを落とすと真剣な様子で彼女が口を開いた。
高岡「普通にいちばん困るのは年齢…」
松坂「それは年齢差? それとも今の年齢?」
高岡「年齢差は関係ないよ。単純に考えて、今の年齢はどうなのかなって」
松坂「俺は思わない。一緒にいて楽しいし…うん、思わない。個人的には思わないけど、もしそうなら俺が年齢を重ねればいいのかなって」
高岡「でもそうしたら、私も年齢を重ねるんだけど…困るよ、本当に」
松坂「困ればいいよ。俺はあなたを困らせたい」
松坂のストレートな言葉に、高岡は驚いたような表情を見せた。
入店してから3時間半、ふたりだけの濃密な時間は続いた。深夜2時の閉店時間を迎えると、5分ほどの時間をあけて高岡、松坂の順に店を後に。それぞれ帰途についた。
※女性セブン2016年9月29日・10月6日号