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健康格差解消の取り組み 足立区は野菜摂取促進で効果

やはり野菜は身体に良い?(写真・アフロ)

 9月19日、NHKが『NHKスペシャル 私たちのこれから「健康格差 あなたに忍び寄る危機」』(以下、『Nスペ』)を放送し、大きな話題を呼んでいる。

 低所得者は高所得者に比べ、精神疾患3.4倍、肥満1.53倍、脳卒中1.5倍、骨粗しょう症が1.43倍もリスクが高くなるという。さらに、非正規雇用者は正社員に比べ、糖尿病になる確率が1.5倍も高いのだ。

 その一方で、健康格差を解消するための取り組みも始まっている。それは所得の多い少ないといった要因によって“幸せな死に方ができるか”が決まってしまう現状を変えようとする動きでもある。
 
 地域格差でいえば、『Nスペ』で「杉並区とは2歳近い健康寿命の差がある」と指摘された東京・足立区で、炭水化物偏重を脱し、糖尿病患者を減らすために3年前から「ベジタベライフ」というプロジェクトが始められた。
 
「民間団体や商店と協力して、『野菜を食べること』、『野菜“から”食べること』を推進しています。保育園などを通じて、子供の頃からよい食生活習慣が身につくような取り組みを進めたり、糖尿病を重症化させないために、保健師が区民の家庭を訪問したりもしています」(足立区こころと体の健康づくり課)
 
 こうした取り組みの結果として、区民の野菜摂取量は着実に増えていると区は成果を強調する。

 高齢者のライフスタイルを活発化させることで、健康状態を改善しようとするのは、愛知県武豊町だ。

「町の介護予防事業として『憩いのサロン』というものを開催しています。町内に会場は13か所あり、地域のなかで高齢者の外出の機会や社会参加の場を提供する取り組みです。

 運営はボランティア主体でされており、体操や工作を行なったり、マジックや日本舞踊、三味線などの出し物、みんなでお茶タイムを開いたりもしています。月に1~2回の開催で、誕生月の人のお祝いもある。1回1時間半~2時間ほどの“お楽しみ会”のような感じですね。2015年には1万2711人の参加がありました」(武豊町福祉課)

 家に引きこもりがちだった高齢者が、こうした機会に外に出て、歩くようになる。運動機能の低下を防ぐことにつながるし、楽しい催しに参加することで、うつ病や認知症の予防にもなり得ると町では考えている。

※週刊ポスト2016年10月7日号

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