国際情報

中国で飛ぶように売れた偽ED薬 驚愕の利益率は

偽造薬で濡れ手に粟(写真:アフロ)

 ニセモノでビジネスするのは彼の国の特徴だが、当事者たちから見ればこのケースは看過できないだろう。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。

 * * *
 以前、中国の空港などでよく見かけた日本語の一つに「バイアグラあります」というのがあった。たいていは粗末な手書きの看板だった。最近はさすがにあまり見かけなくなったが、それでも地方の空港などではまだときどきあるようだ。

 こんな看板が出るということはつまり、需要はあるということだ。

 あれだけ食品偽造が横行した国の薬を口にするなど、普通の神経では考えられないが、中国で同様の薬を買う日本人は少なくないようなのだ。こうした事情を背景に、日本と中国を往復する出張族の間では「効きすぎて死にかけた」といった都市伝説風の噂も定着していた。

 そんな中国で「いかにも」というニュースが話題になっている。

『広西新聞ネット』が2016年9月4日付( 11時23分12秒)で伝えた記事、〈南寧の犯罪者グループが小麦とマルトースからバイアグラを密造 利益は400倍〉である。

 事件が発覚したのは現地の警察に密造グルーブが摘発されたためだが、驚いたのはその犯罪グループのリーダーがわずか23歳であったこと。また偽「バイアグラ」利益率だ。小麦とマルトース(麦芽糖)を材料とする薬剤のコストは一粒0.2から0.4元。これが70元から80元で飛ぶように売れていたというのだ。

 知らぬは消費者のみということか。都市伝説の真相は「効き過ぎる」のではなく、「効かない」ということかもしれない。

関連キーワード

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
2週連続優勝を果たした 竹田麗央(時事通信フォト)
女子ゴルフ 初Vから連続優勝の竹田麗央(21) ダイヤモンド世代でも突出した“飛ぶのに曲がらない力”
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン