旅行会社を経営するB氏は「鳩山氏と行く中国ツアー」を企画する会社の設立をI氏から持ち掛けられ、200万円を出資した。
「昨年11月、知人の紹介で会って間もないI氏から、“鳩山先生を団長とした中国ツアーを企画している。鳩山先生が懇意にしている胡錦濤・前総書記との会食も組み込む予定だから多くの参加者を期待できる。一緒にこのツアー会社をやらないか?”と誘われました」
その際見せられたのが地球環境保全機構という団体の会員名簿だったという。同機構は任意団体のため設立目的などを記載した書類は確認できないが、日中外交筋によれば、「同機構は日中協力会という日中の文化交流を目的とした組織から派生した団体」だという。
名簿には会長に鳩山氏、事務局長にI氏の名前が記され、理事や顧問にはソニー元会長の出井伸之氏やキヤノンCEOの御手洗冨士夫氏、森喜朗・元首相、平沢勝栄・衆院議員ら、政財界の錚々たる顔ぶれが名を連ねる。
「中国ツアーの企画には各理事たちが関係する企業の取引先など300社が賛同し、すでにおカネも振り込んでいる。1億円かかるとの触れ込みでツアー費用を集めているが、実際は5000万円で済む。損しない話です」
B氏は200万円をI氏名義の口座に振り込んだという。が、I氏の説明通りなら今年9月に実現していたはずの「鳩山団長ツアー」は実現していない。
本誌は同機構の理事、顧問らに訊ねたところ、「中国ツアーなど知らない。その機構のメンバーになっているかどうかも定かではない」(出井伸之氏の秘書)、「その会合の食事会に行ったことはあるが、具体的な活動などしたことがない」(名前が記載された政治家)といった回答で、ツアー参加費を支払ったという人物も確認できなかった。