堺:十文字槍は重いんですよ。こんなに重い槍を持っているんだから、何か理由がないと嫌だというのが根底にあったのかもしれません(笑い)。でも、おかげで面白いシーンになりました。
――九度山のシーンで印象的なことは?
堺:初めて家族に向き合うので、演じるのが楽しかったのを覚えています。息子の大助との触れ合いで、親子の関係が深まったと思います。
――長い年月を演じられて、工夫や心がけていたことは?
堺:最初に若作りを頑張って、どんどん力を抜いていきました。最後は実年齢に近くなるので、とても楽にできました。いかに若作りが大変だったか(笑い)。頑張りました。
――幸村は、なぜ人気があるのでしょう?
堺:幸村というよりは、その周りに面白い人がいっぱいいるんだというのが、今回よくわかりましたよね。周りの人をフューチャーする力が、幸村の魅力かもしれません。周辺人物の検索ワードがどんどん上昇していると知ったら、劇中の幸村は喜ぶと思います(笑い)。
――『真田丸』にはいろんな女性が出てきましたが、印象を教えてください。
堺:今回の女性の面白いところは、男にとって都合の良い、いわゆるヒロインがいなかったことです。どこか人間らしくて、どこかきれいごとだけではすまない女性がたくさん登場しました。それは三谷さんの女性観と関係あるのかな?(笑い)
――信繁はモテモテでしたね。
堺:ただ、もてる人生が幸せかどうかというのも、『真田丸』を見てお考えになった方がいいと思います。九度山があんな修羅場になるなんて、ぼくは知りませんでした。兄の信之もそうですが、一夫多妻というのは、こんなに大変なんだっていう(笑い)。
――好きなシーンは?