ライフ

半額になったオプジーボ 高額化について製薬会社の見解

なぜそこまで高くなる?

 患者一人で年間3500万円もの薬剤費がかかることで話題となっていたがん治療薬「オプジーボ」。それがいきなり“半額”になるというニュースは衝撃的だった。

 そこまで安くできるなら、最初の値段は一体何だったのか──当然ながらそんな疑問が浮かぶ。「クスリの値段」が決まるまでのプロセスを辿っていくと、実は国や製薬業界の様々な思惑が存在することが見えてきた。

 オプジーボの高額化には、以下の3つの理由が挙げられる。

【1】開発コストが高かった
 オプジーボのような生物由来の原材料を使ったバイオ医薬品は原価が高く、製造プロセスが複雑であるため、高コストになりやすい。オプジーボの開発期間は約20年に及んだ。その間の様々なコストが積み上げられ、「原価」となっているのだ。

【2】営業利益率が高く設定できた
「開発にこれだけかかった」という資料を基にした「原価計算方式」で積み上げられていく項目の中には「営業利益」が含まれる。きちんと儲けが出るように国が値段を設定するということだ。

「画期的な新薬のケースでは、既存治療と比較した場合の革新性に応じて、営業利益率が多めに設定されます。オプジーボは世界で初めて承認されており、標準の営業利益率(16.9%)に6割加算した高い利益率に設定がなされました」(医療経済ジャーナリストの室井一辰氏)

 結果、オプジーボを製造販売する小野薬品工業の16年中間連結決算の売上高は、前年比67.5%増で中間期として過去最高をマーク。売上高全体の半分をオプジーボが占めた。

 経営学用語では、競争のない未開拓の市場をブルーオーシャンと呼ぶが、小野薬品工業は、「青い海」を見つけて大きな果実を得たことになる。

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン