寒い冬に旬を迎える野菜が白菜だ。白菜は、中国原産の越年草で、日本へは明治初期に渡来。霜に当たると甘みが出ておいしくなる。茨城県産「霜降り白菜」や群馬県産「邑美人」など、濃厚な味わいのブランド白菜も人気だ。
貯蔵性が高く、内葉、外葉、芯など部位によって味わいや栄養が異なり、外葉に向かうほど栄養価が増す。生ではシャキシャキした歯ざわりが、煮込むとやわらかな甘みが身上。ちなみに、青梗菜も白菜の仲間だ。
特筆すべき栄養価はないが、白菜には各種ビタミンやミネラルがバランスよく含まれ、とくに抗がん作用のあるイソチオシアネートが豊富だ。体を温める作用があり、加熱により水分が放出され、その分、うまみたっぷりのスープを吸収するので、鍋やスープの具材として最適である。家庭料理研究家の松田美智子さんはこう言う。
「できれば巻き野菜は丸ごと買うほうが、鮮度、うまみともにベターです。硬いけれど栄養価の高い外葉は鍋に使い、やわらかい内葉はサラダに。残りは浅漬けにすれば、意外とあっさり使い切ってしまいますよ」
◆白菜の保存法
丸ごと買う場合は手にずっしりと重く、葉先まで硬く巻きがしっかりしたものを選ぶ。収穫後も成長を続ける白菜は、芯の部分に切り目を入れて成長を止め、手で裂くように分けると細かい葉くずが出ず、包丁で細胞に傷もつかないため鮮度も保てる。
カットされているものは、断面の芯の高さが1/3以下で葉が隙間なくぎっしりと詰まっているかを確認する。古くなると切り口が盛り上がってくるので、断面が平らなものを選び、芯の部分に切り目を入れて成長を止めておくこと。どちらも新聞紙に包んで冷暗所へ。
◆白菜と豚肉のミルフィーユ風
【1】白菜の葉約6枚は、軸と葉に切り分ける。豚バラ肉100gはバットなどに広げてならべ、酒大さじ3、しょうゆ大さじ2、黒こしょう少量をかけておく。
【2】容器にしょうがのみじん切り大さじ1、にんにくみじん切り小さじ1、ねぎのみじん切り1/2本分を合わせておく。
【3】厚手の鍋に白菜を軸から敷き、薄力粉適量を茶こしなどでふり、その上に豚バラ肉の1/3量を広げてふたたび薄力粉をふり、【2】の1/3量を散らす。これを3回繰り返し、最後に白菜で蓋をするように覆って薄力粉をふるう。
【4】チキンスープ1/2カップ、酒1/4カップを加えて蓋をし、中火にかける。フツフツとしてきたら弱火にして10分加熱する。火を止め、2~3分蒸らしてから4つに切って取り出し、器に盛る。
【5】煮汁を再度火にかけ、水溶き片栗粉小さじ1を加えて軽くとろみをつけ、【4】にかける。好みでからし適量を添える。
※女性セブン2017年1月1日号