「みんな弾けたいんですよ。自分の年を忘れたいし、もっと、もっと笑いたい。おもいっきり若返って、青春時代に燃えた歌を一緒に歌いたいんですよ。真面目な歌ばかりじゃなくて、たまにはぼくの、『時には娼婦のように』とかね、エロスを感じるような歌も聴きたいんだよ」
日本全国をまわり、年間140本を超えるステージに立つ黒沢はその熱を肌で感じている。
「おかげでぼくも元気になっちゃった。がんの手術を8回もして、おれの人生もここまでかな…と思ったこともあったけど、今は絶好調(笑い)。青春、真っ盛りですよ」
思えば、昭和の時代には、だれもが口ずさめるヒット曲がたくさんあった。
「大人から子供までね。でも今、そういう曲ってないでしょう!? だからこそ、夢コンサートなんですよ」
比叡山延暦寺で逆永代供養を済ませ、すでに戒名(英勝院智俊慈道居士)を持っている黒沢の願いは、「だれにも迷惑をかけずに、ひとり静かに去っていくこと」。しかし、夢コンサートがあるかぎり、その願いは、まだまだ叶いそうにない。
撮影■平野哲郎
※女性セブン2017年1月5・12日号