ところが、2015年から審査会の仕組みが変わり、作曲家や音楽プロデューサーが正式に審査委員に加わることになったんです。しかも、そのメンバーたちは、第三者的にレコ大の運営を担うはずの実行委員も兼ねています。めちゃくちゃな話です…」(審査委員経験者)
これまでも審査には“お手盛り批判”がつきまとってきたが、ここにきて開き直ったのか、暴走が始まったという。
「作曲家は“親分・子分”の関係色が強い狭い業界ですから、審査員に選ばれた子分たちはボスに賞を献上しようとします。そうして気づいたら“仲間内の誰かの曲ばかりが賞をとっている”という状況になってしまったんです」(前出・審査委員経験者)
知名度の低い歌手がなぜか年末の中継ステージで歌うカラクリを、TBS関係者はこう明かす。
「叶さんが作曲家協会の会長になったのは2013年で、それから4年連続で叶さんの作曲した曲が歌われています。2013年の編曲賞の竹川美子『おんなの夜明け~第1章~』、2014年の作詞賞の鳥羽一郎『しぐれ旅』、2015年の作詞賞の北川大介『濱の踊り子』、そして2016年の年末も、作詞賞で香西かおりが『秋恋歌』を歌いますが、それも叶さんの作曲。すべて“作曲賞”でないのは、叶さんの名前を隠すためです。もはや“作詞賞はドンの指定席”なんて揶揄されています。
しかも、2016年は『日本作曲家協会選奨』に山川豊が選ばれましたが、その最新曲も叶さんが書いた。そんな露骨な審査で歌唱者を決めておいて、視聴率を上げるなんて無理ですよ」
1995年以降、エイベックス系の歌手が13回大賞を獲っている。それを“レコ大の独占”と批判する声もあるが、TBS関係者はこう言う。
「レコ大へのノミネートや出演を打診しても、多くの人気アーティストに断られるのが現状です。作曲家や審査委員の先生たちは選べばいいだけですが、それをキャスティングすることこそ大変で、出演交渉をする側は大汗をかいている。エイベックス系の歌手は協力的で助かっているという側面もある」
※女性セブン2017年1月5・12日号