【イメルダ・マルコス元比大統領夫人の靴コレクション(マニラ)】──宮殿に残った大量の高級靴3000足の靴
1965年、マルコス大統領の就任以来、マラカニアン宮殿で贅を極めた暮らしを送る。その象徴が1986年に米国亡命した際に宮殿で見つかった3000足の靴。靴コレクションの一部はマリキナ靴博物館に展示されている。イメルダはフィリピンに帰国後、国政に復帰。2014年には85歳の誕生日を靴を象ったケーキで祝うニュースで話題になり、「鋼の蝶」と呼ばれた女傑ぶりは健在。
マニラ郊外の靴博物館には現在600足ものイメルダ夫人の靴が展示されている。
【ウクライナ・ヤヌコビッチ大統領私邸(キエフ)】──混乱のウクライナにテーマパークのような豪邸
2014年の政権崩壊直後、ヤヌコビッチ前大統領の豪邸が一般公開された。140haの敷地にはゴルフ場や動物園まであった。前大統領が廃棄した文書から約40億円のシャンデリアや、飼育する動物のネームプレートに100万円も費やしていたことまで明らかになった。
豪邸の主は逃亡、現在、公金横領などの容疑で国際指名手配されている。潜伏を続けるヤヌコビッチ氏の所在は現在も掴めていない。
【イラク・フセイン大統領像(バグダッド)】──臀部の競売価格3000万円
2003年、米軍のイラク攻撃で独裁政治の終焉のシンボルとして広場から引き倒されたフセイン銅像。これはフセインの65歳の誕生日を記念して設置されていたもの。
24年の独裁時代には個人崇拝を徹底し、銅像とポスターは「国民の数より多い」とも揶揄された。銅像の臀部の一部は2011年に英国で競売にかけられたが、約3000万円の最低入札価格に希望者はいなかった。
全世界に配信された銅像の倒壊シーンは、民衆ではなく米軍によるものだった。
※SAPIO2017年1月号