この傾向は、すでにオジサンに対する女性の見方でも顕著に表れています。

 10年前は、女性経験も豊富な“チョイ悪オヤジ”が持て囃されましたが、5年ほど前から「ギラギラしたオジサンは嫌い」と言われ、そうした内面を一生懸命削ぎ落としていったら、今度は「つまらない」とバッサリ(笑い)。

 結果的に、いやらしさがなく、コミュニケーション力や包容力のある男性がモテる時代になりました。肉体関係を持たずに男性から食事を奢ってもらったり、デートをしたりと援助交際する“パパ活”が話題になるのも、何となく分かるような気がします。

 ただ、パパ活に励むような男女は稀なケース。近年、職場でも女性社員と良好な関係を築こうとマメに食事に誘ったり、プレゼントを渡したりする男性は減っています。

「そんなコスパの悪い女性にお金をつぎ込んで下手に疑われるくらいなら、昔からの同級生の集まりやクラス会に行ったほうが、よほどフラットな異性関係が築ける」

 と話していた男性がいましたが、その気持ちも理解できます。職場である程度キャリアを積み重ねた男性であれば、若い社員よりも経済的・精神的に余裕はあるでしょう。女性の同僚とも積極的に交流を図れるはずですが、そんな気遣いが仇になることも多い。

 また、男性自身も給料カットや年金カットなど、漠然とした将来不安が少なくない。そんな中、仮に女性から誘われても嬉しくないし、かえって鬱陶しいとさえ感じる男性がいるのは確かです。

 しかし、今の時代はライフスタイルが多様化し、バーチャルではないリアルなコミュニティーも広がっています。2017年はそうした様々な場を通じて広い意味で「男女関係の経験値」を高める努力をしてもいいのではないでしょうか。もちろん、不倫はいけませんが。

●撮影/山崎力夫

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